自民党の茂木敏充幹事長といえば、議員になる前は、世界的なコンサルティング会社の代表格であるマッキンゼー社でコンサルタントをしていたことは、よく知られる。その知識を生かして、自民党大阪府連の刷新に乗り出しているが、これがすこぶる評判が悪いのだ。
茂木氏は大阪府内の19選挙区のうち、6つの選挙区支部長(公認候補予定者)を更迭し、新たに一般公募する方針を決めた。しかもそれを自ら伝達するのではなく、7月2日に行われた府連会合で、谷川とむ府連会長に伝達させたのである。
情勢調査を実施し、維新に勝てる見込みの薄い支部長の入れ替えを図り、勝機を見出すというものだが、府連からは不満が噴出。
「茂木氏はもともと関東の人。しかも刷新本部のメンバーは府連選出を除いて、ほとんどが大阪のことをなんらわかっていない人たちだ。コンサル会社が乗り込んで来て、データを示してそれに従うように突き付けるのと同じ。地元から積み上げていく自民党の文化には馴染まない」(府連幹部のひとり)
大阪府連に問題があることは、言うまでもない。令和3年の衆院選で、日本維新の会が候補者を擁立した大阪府内の15選挙区で全敗しただけでなく、今春の統一地方選でも大阪府知事、大阪市長を維新から出すことになり、大阪府議会、大阪市議会ともに維新に過半数を握られた。そんな惨敗続きのため、党本部が乗り出して「大阪刷新本部」を立ち上げたわけだが…。
それでも、府連サイドとしても言い分がある。ある府連関係者は、
「19選挙区のうち4つも公明党に譲って、自民党は候補者を立てていない。公明党が強いのはわかるが、府連としても犠牲を強いられている。それなのに、いっさいその実情を理解しようとしない。これでは党が中央と府連で分裂する。すべてはモテキング(茂木氏のあだ名)のせいだ」
どうにも憤懣やるかたない様子で、そうブチまけるのだった。内紛はこれからさらに拡大していく様相を呈している。