1933年にロンドンの外科医によって撮影された一枚のモノクロ写真により、一躍有名に名になったのが、スコットランドのネス湖に潜む「未確認生物」ネッシーである。20世紀最大のミステリーとして知られるこの生物を発見するため、ネス湖で2日間にわたって大々的に行われた捜索が、8月27日に終了した。
この50年ぶりとなる大規模捜索には、世界各国から200人を超えるボランティアが参加。湖底に潜む熱のシグナルを感知するサーマル・ドローンや、水中の音響を記録するハイドロフォンなどのハイテク機器を使い、ネッシー探索を続けた。ところが大きな成果は見つからず、今後は得られた情報を分析し、後日発表する予定だという。
湖の水棲UMAの筆頭がこのネッシーだが、実は世界中の湖には様々なUMAの目撃談がある。長年UMAを研究するジャーナリストが解説する。
「スウェーデンのストーシェン湖では、古くからストーシーというUMAの目撃談が相次いでいます。米オレゴン州のワラウワ湖に生息されるといわれる、ウォリーも有名ですね。さらにアフリカのジンバブエにあるカリバ湖で目撃されたミニャミニャ、ノルウェーのスサーナ湖ではクジュラと呼ばれる生物の目撃情報もあとを絶ちません」
昨年10月、カナダ南西部ブリティッシュコロンビア州にあるオカナガン湖でボート遊びをしていた夫婦が目撃し、撮影に成功したことで、地元で上を下への大騒ぎになった一件がある。それがこの湖にいると言われるUMA「オゴポゴ」だ。
夫妻が撮影した未確認生物は、茶色っぽい体。水面に突き出す体の一部には、先が丸く膨らんだツノのようなものが確認できる。映像を見た民俗学者は、鼻息を荒くしてこう断じたという。
「オカナガン湖に伝わる伝説の生物、オゴポゴはツノが描かれているものが多く、その観点からしてオゴポゴである可能性は極めて高い」
オカナガン湖ではこれまでにもたびたび、オゴポゴの姿が報告されている。例えば一昨年5月、湖西岸にあるサマーランドという小さな町で遊歩道を散歩中の女性が、オゴポゴらしき生物を見た。
「いったん水に潜ったものの、再び水面に姿を現し、そのまま湖中央へと泳ぐと、水中に消えたそうです。時間にして3分ほどのことですが、女性は携帯電話でこの生物の写真を撮影。地元では大きな話題になりました」(前出・UMA研究ジャーナリスト))
この湖でのオゴポゴ目撃情報は1926年以降、300件にも上ることから、切手の絵柄に起用されたこともある。その正体の解明が待たれる。
(ジョン・ドゥ)