円安と物価高を放置してビジョンが見えないトップには、とてもついていけない。政府は総合経済対策を閣議決定。岸田文雄総理が押し通した所得税と住民税の1人4万円の定額減税が実現することになったが、その効果が疑問視され、各方面から糾弾の嵐となっている。
「たった1年だけの還元で法改正まで要し、来年6月にようやく実施されるなどあまりにスピード感がなく、メリットの享受は後回し。自民党内からは『給付』にすべき、との声が出ていましたが、『減税』にこだわった総理が大暴走。自らの支持率低下と『増税クソメガネ』と言われていることを気にしすぎたため、墓穴を掘った形です。減税してさらに支持率が下がるという、歴史的大珍事が発生することになりました」(全国紙政治部デスク)
そのせいで、岸田総理は自民党内で孤立。政権の人気回復を狙った場当たり的な「バラマキ」は、国民に受け入れられることはなかった。経済ジャーナリストが苦言を呈しつつ、岸田政権がやるべきことを提示する。
「経済への効き目がない中、減税が終わったタイミングに増税となれば、国民の負担は重いものになります。これから防衛増税や少子化対策増税が予想され、中途半端なバラマキ減税をするくらいならば、将来の増税抑制をすべきです。その場しのぎの補助金や負担軽減措置による物価対策は意味がありません。日米の金利差による円安が加速している現状を是正して、円安と根本的な物価高を止めなければ、庶民の暮らしはよくなりませんよ」
財務省の都合に振り回されて言いなりになり、国民の声を無視する岸田総理。時限的な消費税減税も、実現は不可能だろう。疲弊している国民は、円安対策と物価高対策を求めるだけである。
(佐藤恵)