自身のラジオ番組「徳光和夫 とくモリ!歌謡サタデー」で「許せない」と憤慨し、「(番組の)存続も危ぶまれる」と語っていたのは、徳光和夫だ。日本テレビ出身で、長年「24時間テレビ」に関わってきただけに、その怒りは相当なもののようである。
もうおわかりだろう。日本テレビ系列の「日本海テレビ」(鳥取市)の元経営戦略局長が売上金など1118万2575円を着服した一件である。その中には「24時間テレビ」の寄付金264万6020円が含まれていたというから驚きだ。
11月27日付で懲戒解雇処分になったという元局長だが、コトが発覚したのはなんと、本人の申告によるもの。着服は2014年から2020年、そして2023年に行われていた。募金終了後、本社内で保管していた募金の一部を、自身の銀行口座に入れていたという。およそ10年にわたって着服し続けるという悪質さ、しかもそれを本人が申告しなければ発覚しないという杜撰な管理には、あきれるしかない。
温厚な徳さんを怒らせるほどの由々しき事態に、日本テレビから何か発表があるかと、12月3日放送の「日テレアップDate!」に注目したが、「24時間テレビ」の「に」の字もなく、日テレの社内サークル活動「日テレ鉄道部」について、呑気に放送していた。視聴者からの信頼を失墜させるようなことをしておいて、いったいどういう神経なのか。系列局がしでかしたことで、ウチは関係がないということか。この危機感のなさに脱力だ。そうでなくとも昨今は「感動ポルノ」などと言われ、「24時間テレビ」には厳しい目が向けられているというのに。
そもそも長年、元ジャニーズ事務所タレントがパーソナリティーを担当し、ジャニーズ番組と化していたという声もある。終わらせるなら、今が最良の時かもしれない。
(堀江南)