4月14日のGI・皐月賞(中山・芝2000メートル)で3着に好走したジャンタルマンタルが、5月26日のGI・日本ダービー(東京・芝2400メートル)出走を回避し、5月5日に同競馬場で行われるGI・NHKマイルカップ(芝1600メートル)に向かうことが明らかになった。
皐月賞ではジャスティンミラノがコスモキュランダの猛追を凌いで激戦を制したが、実はこのレースで最も強い競馬をしたのが、ジャンタルマンタルだった。
レースを振り返ると、ジャンタルマンタルはメイショウタバルの大逃げによる超ハイペース(前半1000メートル通過57.5秒)を3番手で追走。4コーナーから最後の直線の入り口にかけては、逃げるメイショウタバルを自力で潰しにかかり、直線坂下あたりで後続馬を2~3馬身引き離すという「横綱相撲」に打って出たのである。
結果はゴール寸前で捕らえられて3着に終わったが1、2着馬との道中の位置取りなどを考え併せると、同馬は皐月賞で最も強い競馬をしたと言えるのだ。
にもかかわらず、3歳牡馬クラシックの最高峰レースにあたる日本ダービーをあえて回避したのはなぜか。ズバリ、その理由は「距離の壁」にある。
事実、ジャンタルマンタルが現時点でその能力を最大限に発揮できる距離とコースは、GⅡ・デイリー杯2歳ステークス(京都・芝1600メートル)とGI・朝日杯フューチュリティステークス(阪神・芝1600メートル)を快勝した実績からも明らかなように、「芝のマイル(1600メートル)戦」なのだ。横綱相撲に打って出てゴール前で捕らえられた皐月賞のレースぶりも、このことを雄弁に物語っている。
つまり、2戦2勝で負けなしの芝1600メートルで行われるNHKマイルは、ジャンタルマンタルにとってまさに「絶好の舞台」。日本ダービーをあえて回避し、中3週で臨むNHKマイルは、ジャンタルマンタル陣営にとって「狙いすました一戦」なのだ。
そこで結論。5月5日のNHKマイルは、単勝か馬単か3連単かを問わず、ジャンタルマンタルを頭から狙い打ちすることを強くオススメしたい。
(日高次郎/競馬アナリスト)