日本人には耳慣れない後払い契約だが、メジャーでは珍しいことではないという。大谷が例外的に巨額なだけで、あのレジェンド選手もうまく活用する1人だ。友成氏が言う。
「イチロー(50)は01年のメジャー挑戦時の段階から、後払いの年俸契約を結んでいました。しかも大谷は無利子ですが、イチローは年利5%の契約だったそうです」
先の「フォーブス」誌によると、イチローが引退後に受け取る後払い金額は、約3200万ドル。10年分割で、すでに支払いは始まっている。ドル高の影響で、利子分も含め資産価値は当時の1.5倍に上るという。
「イチローと弓子夫人が取締役を務める資産管理会社が、日米にあります。日本支社は、古巣のオリックス・バファローズの準ホーム球場・ほっともっとフィールド神戸と同じ住所に登記されており、不動産投資なども行っているようです」(球界関係者)
弓子夫人には、数年前まで米国内で高級ヘアサロンチェーンを経営していた、やり手の一面もある。二人三脚で、懐に入り続ける資産を管理しているのだ。
イチローと同時代に双璧を成した日本人選手といえば、ワールドシリーズMVP獲得の松井秀喜(49)だろう。両者は引退後も米国に残り、イチローはマリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター、松井はヤンキースのGM特別アドバイザーという特別職に就いた。スポーツ紙デスクが言う。
「名誉職とはいえ、両者100万ドル超の年間報酬があります。マイナーを中心とした選手指導が主な活動ですが、それでこれだけ稼げれば、わざわざ日本で胃の痛い思いをして監督になるよりはるかににワリがいい。監督待望論もありますが、実現は遠いでしょう」
また、特に松井は金に頓着しないことで有名だという。友成氏が語る。
「ヤンキースの選手はたいてい、州所得税がゼロでキャンプにも近いフロリダ州に住居を構えており、シーズン中は基本ホテル暮らし。にもかかわらずマンハッタンに住んでいたのは、松井や田中将大(35)ぐらいでしたね」
ニューヨークは高所得者の税負担が州、市を合わせて約13%。数千万円から数億円の税を節約するより、職場から近いことを選んでいたとは‥‥。そのスケールの大きさに脱帽するばかりだ。