阪神が甲子園球場で行われた中日戦で3連勝。オールスター前の広島戦から4連勝で貯金を4とした。
連勝の要因は火を見るより明らか。それまでの貧打ぶりがウソのように、打線がつながり始めたからだ。
とりわけ目を見張るのは、3番に入った森下翔太の復調だろう。森下は打撃不振で7月6日に1軍登録を抹消されたが、19日に1軍再登録された際は「まだ準備不足なのでは…」とメディア間でささやかれていた。なぜなら、岡田彰布監督が森下の再昇格について、当初はオールスター明けと語っていたからだが…。
阪神は7月15日からの東京ドームでの巨人3連戦で1勝2敗と負け越したが、2敗はどちらも1点差だった。「あと1本が出ない」展開に首脳陣は森下の緊急昇格を決めたのだ。だが、19日の広島戦から3番ライトでスタメン出場した森下は、2試合連続〝4タコ〟と機能しなかった。しかし、21日に復活のキッカケが見えたと、在阪スポーツ紙デスクが話す。
「21日の広島戦、阪神打線は3回に打者一巡の猛爆で一気に6点先制しましたが、森下だけはひとり蚊帳の外。4回まで3タコでした。しかし、再び打線がつながった6回の第4打席で1軍復帰後初タイムリーを記録したんです。岡田監督が『まだまだ、それは内容もあんまり良くないしね。あれは便乗で打ったんじゃないですか』と半信半疑的なコメントを発していましたが、そんな悲観的な雰囲気はありませんでした。そして、オールスター明けの中日3連戦で3日連続のお立ち台ですからね。タイムリー1本とオールスター休みで完全復調したと言っていいでしょう」
森下自身は25日、球宴中に甲子園で行われた3日間の練習について「自分の状態を上げるために頑張っていました」と、後半戦の活躍を誓っていた。
その言葉どおり、中日戦の3試合は12打数8安打6打点1本塁打の大爆発。実は昨季の森下は、同じく後半戦で6試合連続安打のロケットスタートを見せ、3番に定着している。
「完全に『夏男』ですね。森下が復調すれば得点力は自然と上がってきます。4番に入っている佐藤輝明は7試合連続、5番の大山悠輔も11試合連続安打中で、クリーンナップの3人がこの3試合連続打点と、そろって調子を上げました。この調子なら30日からの巨人3連戦が大いに期待できるのではないでしょうか」(野球記者)
巨人戦での先発は才木浩人、及川雅貴、ビーズリーが予想されている。投打がガッチリかみ合った今の阪神なら、3.5ゲーム差で首位に立つ巨人を3タテは不可能ではない。さらに言えば、森下の2カード連続3試合お立ち台までありそうだ。
どうやら「死のロード」を前に、ファンが期待する「最高の結果」が見えてきた。
(石見剣)