全国ギャンブル場97場制覇は、ゴールが目前に迫ってきた。孤独のギャンブル行は、次回の中京競馬場がラストになる。
96場目は北の大地、札幌競馬場が舞台。現在、JRAは10場ある。次回の中京競馬場以外でいえば、周辺環境が優れているのは京都競馬場、場内なら札幌競馬場である。事前に指定席を確保することはできなかったが、それでも快適に過ごせる競馬場だった。
新千歳空港からJR快速エアポートを利用し、競馬場のある桑園駅までは40分ちょっと。停車駅が少ないので文字通り快速、ビュンビュン走る。空港から直結のイメージだ。
桑園駅から競馬場までは、無料送迎バスが出ている。歩けない距離ではないが、出かけた8月3日は行き帰りとも無料バスを利用した。
実は孤独のギャンブルで往復無料バスを利用した競馬場は、札幌が初めて。乗りやすいし、人の誘導もテキパキしていた。神経質なファンには、こういう些細なことが気になるもの。はるばる北海道までやってきてよかった、と思うことができる瞬間だった。
第1回5日目。競馬場に一歩足を踏み入れると、場内の構造はシンプルなのに、バリエーションに富んでいた。
入り口からまっすぐのところに正面スタンドがあり、突き進んだ先にはパドック。正面スタンドの右手にはフードコートと子供用のキッズランドがあり、その2階には誰でも利用できる「もにわテラス」が。
地下通路を通って内馬場に行くことができ、ピクニックエリアの「ターフパーク」がある。テラスや2階がバルコニーの小スタンドもあり、内馬場からレース観戦ができる。公営競馬、大井競馬場のJRA版といったところだ。
指定席を確保していないので、場内をうろつくハメになるのかと思ったのだが、フリーなスペースやシートが多く、疲れたら座ることができるので助かった。そんな逃げ場があることで気持ちに余裕ができるのか、場内が殺伐としていない。いいことばかり書いているように思われるが、こういうことは実際に行ってみなければわからない。
競馬場の立地も珍しい。3コーナー奥には札幌のビル群が聳えている。向こう正面が山々で囲まれている競馬場が多いから、やや近代チックな光景がまた楽しい。ただし「もいわテラス」後方には札幌の山々が控え、競馬場を包んでいる。それはそれでホッとする景観でもある。
さらにいいことばかり書くようだが、食べ物も充実している。フードコートの「小樽ニュー三幸」には、ジンギスカンがあった。北海道の門別競馬場ではジンギスカンをやれるエリアにソソられたし、函館競輪ではビッグレースの目玉企画でジンギスカンのコーナーを作って大盛況だった。北海道の人でもジンギスカンは嬉しいのだから、旅打ちで全国を回る孤独のギャンブラーには垂涎である。
北海道といえばラーメンもあるが、「エプソム」という店には味噌、塩、醤油のシンプルなメニューが並んでいた。
この日は早めにジンギスカン丼950円、最終レース前に濃厚味噌ラーメン850円の2食をガッツリ。
この他、北海道といえば…のスープカレー専門店、2階には札幌グランドホテルの出店があった。グランドホテルでは本格的な洋食メニューがズラリ。洋食といえば、オムライスが何種類もあって驚いたのが唐津ボートだが、本格的な品揃えではここにかなわない。
北の大地の札幌競馬場は、また来てみたくなるギャンブル場なのである。
馬券は5Rから買い始めた。新馬戦の5Rはまったくわからず、単勝が1倍台だった人気の馬から馬単を買ったら、2着でドボン。6Rは安くてもOKで買った、1番人気から4番人気まで揃った1枠と6枠の枠連①⑥3000円で連続ドボン(結果は⑥⑧)。
後半戦ははたしてどんな結果になるか。
(峯田淳/コラムニスト)