金融ムラの度肝を抜いた、前代未聞の株価急落。週明けの東京株式市場を襲った「大異変」により、8月5日の日経平均株価(225種)は前週末比4451円安と史上最大の下げ幅を記録。1987年10月20日の米ブラックマンデーを受けての3836円安を大幅に更新した。
そんな中、今回の日本版ブラックマンデーを明確に予言していたのが、経済アナリストの森永卓郎氏だった。
モリタクの愛称で知られる森永氏は、日経平均株価が4万2224円の史上最高値(7月11日)に向かって上昇を続けていた時、様々なメディアを通じて次のように警鐘を鳴らしていた。
「現在の株式市場は完全なバブル状態にある。日経平均株価は近く大暴落するだろう」
それだけではない。森永氏は大暴落後の株価についても、こう予言しているのだ。
「日経平均株価はさらに下落していき、最終的には1万円台を割り込む」
その根拠として森永氏は概略、以下の点を挙げている。
●為替レートはいずれ1ドル90円から110円まで調整されていく
●その場合、円高の影響だけでも、日経平均株価は1万5000円くらいまで下落する
●さらに、市場の過剰反応によって、日経平均株価は1万円台を割り込む
今年1月にスタートした新NISAの成長投資枠では、日経平均株価連動型上場投信への投資も認められた。仮に7月の史上最高値付近でこの上場投信に全額をブチ込み、数年後に日経平均株価が1万円台を割り込んだとすれば、資産は実に4分の1以下にまで激減してしまう計算になる。
森永氏が指摘するように、この際、深手を負わないうちに投資を引き上げるのが上策。老後の資金を引っ提げて投資に新規参入するなど、もってのほかである。
(石森巌)