これは巨人の「秘密兵器」となりうる「大化け逸材」かもしれない。FA選手らの大型補強ばかりが取り沙汰される巨人において、育成契約5年目のシーズンを迎えるフリアン・ティマの評価が爆上がりしているのだ。スポーツ紙デスクが解説する。
「ずいぶん長くファームにいる外国人野手ですが、16歳でドミニカ共和国から海を渡った、今年21歳になる『若手枠』のひとりです。いわゆる『フリースインガー』で、バットに当たれば鋭い打球を飛ばす反面、三振が多いのが弱点。とかく変化球の対応に苦労していましたが、昨シーズンは外角に逃げるボールを見極める場面が増えましたね。大きいフォームのパワーに確実性が伴いつつあるだけに、大化けする可能性は高いと思います」
昨シーズンのイースタン・リーグでは打率2割5分1厘ながら、リーグ2位の15本塁打、リーグ3位の53打点を記録。ソフトバンクからFA移籍した甲斐拓也の人的補償による流出を除いて、残り7枠となった「支配下登録」昇格候補の筆頭格に躍り出た。ただし、成長著しい打撃から守備に目を向ければ、課題は山積みで、
「現状、安心して見ていられるポジションはありません。昨シーズンは3塁とDHが主戦場でしたが、内野を守らせるには腰が高すぎてゴロの処理がおぼつかない。強肩を生かせる外野では、打球処理が不安定。交流戦や日本シリーズ限定の『DH要員』としての昇格が現実的かもしれませんが…。いずれにせよ2軍では、オフに加入したチェコ代表のマレク・フルプとのポジション争いを制する必要があります」(前出・スポーツ紙デスク)
今季は得手をさらに伸ばすのか、はたまた苦手を克服するのか。いや、「二兎を得る」成長に期待したい。