年明け早々、衝撃的なニュースが飛び込んできた。ウクライナ戦線に派兵されている北朝鮮部隊の最新情勢について、ウクライナのゼレンスキー大統領がアメリカメディアのインタビューに答える形で、次のような事実を明らかにしたのだ。
「戦線での北朝鮮兵の死傷者は、すでに3800人に及んでいる」
実はこの前日にも、ゼレンスキー大統領は次のように発言していた。
「ロシア西部のクルスク州マフノプカ村近郊における戦闘で、ロシアの落下傘部隊と北朝鮮の歩兵部隊から成る1個大隊(数百人規模)が全滅した」
ウクライナ軍が越境攻撃を続けているクルスク州には、1万2000人規模の北朝鮮部隊が送り込まれているとされる。そのうちの3800人がすでに死傷したとすれば、北朝鮮部隊は約3分の1の兵力を早くも失ったことになるのだ。
そんな中、北朝鮮の独裁者・金正恩総書記がウクライナ戦線で戦死した北朝鮮兵士の遺族に「口外禁止」の誓約を強要している、との事実が明るみに出た。
アメリカの政府系放送「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」が北朝鮮消息筋の話として伝えたところによれば、昨年暮れ、北朝鮮当局(各地の朝鮮労働党委員会)から呼び出されたのは、ウクライナ戦線で戦死した北朝鮮兵士の十数名の遺族。
戦死した十数名の大半は、北朝鮮軍の特殊部隊「暴風軍団」に所属しており、北朝鮮当局は戦死の経緯についていっさい言及することなく、遺族らに紙ペラ1枚の「戦死証明書」を手渡した上で、以下のような誓約書に指紋で押印するよう強要したというのだ。
〈今回の戦死に関するいかなる内容も外部に話してはならない〉
押印に応じた後、泣きながら帰宅した遺族がいたのは言うまでもない。
本サイトが昨年12月20日に公開した記事でも指摘したように、金正恩には「ロシアから北朝鮮兵士に支払われる従軍給料を、そっくり横取りしている」疑惑が浮上している。これを「悪魔の所業」と言わずして、なんと言えいばいいのか。
(石森巌)