サッカー2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選で、日本代表と同じグループCを戦っているインドネシア代表に、大騒動が勃発している。1月6日にシン・テヨン監督が電撃解任されたのだ。
どうやら昨年末の東南アジア選手権でグループステージ敗退に終わった責任を取らされる形となり、国民の怒りの矛先はインドネシア・サッカー協会に向けられている。サッカーライターが解説する。
「東南アジア選手権は国際Aマッチウィーク外だったため、ベストメンバーを組めず、若手が中心。その結果を踏まえて解任するというのは、日本代表ではまず、ありえません。そもそも韓国人のシン・テヨン監督は1945年の独立後、初めてインドネシアをW杯アジア最終予選に進出させた功労者なんです」
本大会へは各グループの上位2チームが進出可能で、3位と4位は4次予選に回るレギュレーション。現時点(1月9日現在)でグループCは、勝ち点16の日本代表が断トツだ。2位のオーストラリアが勝ち点7、そして3位から6位の4チームがいずれも勝ち点6で並ぶという混戦状態にある。サッカーライターが続けて言う。
「インドネシア代表は大方の予想を覆し、1勝3分2敗と大健闘しています。悲願のW杯初出場のチャンスが十分ある中で、勝負師のシン・テヨン監督の首を切るなんて、暴挙に等しい判断でしょう。同じグループCのオーストラリア代表とサウジアラビア代表も成績不振を理由に監督を更迭しましたが、新体制になってから『劇薬』とはならずに苦戦が続いています。インドネシア代表も二の舞にならなければいいのですが」
そうした状況下、1月8日にオランダ代表のエースとして活躍したパトリック・クライファート氏の新監督就任が発表された。
「昨年11月の代表ウィークで、インドネシア代表は27人中、半数近くがオランダから国籍を変更した選手でした。それもあって『オランダ色』を濃くする狙いがあるようです。ですが、はっきり言ってクライファート氏の監督としての実績は大したことがない。今後の最終予選で連敗でもしたら、一気に批判の矢面に立たされるでしょう」(前出・サッカーライター)
国民総反発のタイミングで改革に着手したインドネシア代表。次に日本代表と対戦する6月10日の最終節までに快進撃を続けるのか、それとも自滅しているのか。
(海原牧人)