視聴者離れの原因には、フジが起こした数々の「事件史」も少なからず影響してきた。
特にフジ嫌いが加速したのは、11年7月に俳優の高岡蒼甫(42)=現・蒼佑=がツイッター(現・X)上で、韓国エンタメを多く放送していた韓流偏重を痛烈に批判したこと。
フジにフラストレーションを溜めていた層も相乗りし、スポンサーへの電凸攻撃や不買運動、大規模な抗議デモまで起きる騒動になった。芸能評論家の竹下光氏が振り返る。
「韓国エンタメを取り扱っていたのは、フジだけではなかったし、『韓流ゴリ押しはしていません』と、しっかりと説明すれば済む話でした。社員の間では、ネット上で騒いでいるだけで、勝手にやらせておけばいいというおごりもあった。フジは一事が万事この調子で、5年前に『テラスハウス』に出演した木村花さんがSNS上で誹謗中傷を苦に自殺した時も、誠意ある対応をしているように見えなかったし、他局に比べて謝罪意識が低い。問題が起きたら番組を打ち切ればいいという不遜な態度に、視聴者は嫌悪感を抱いたのです」
中居の女性トラブルで社員の関与が報じられた〝性上納システム〟の疑惑も、フジ側はかたくなに否定しているが、疑いは晴れていなかった。
文春のスキャンダル追及の第3弾(1月23日号)では、記事内で編成部長A氏が複数の女子アナを集めて会食している実態も掲載された。
「かねてより女子アナを伴っての接待は常態化していました。特にバブルの名残りがあった時代は、焼き肉店を貸し切りにするほど大人数での飲み会を開いては、芸能プロばかりか、スポンサー筋を接待するのは当然という感覚。そもそも日枝さんの子息は電通勤務ですからね。それでも当時は、アナウンス室に露木茂部長(84)がいて睨みをきかせていたので、過剰な接待まではしていなかったと思います。今回の事件を受けて、かつて接待に駆り出されていた現部長の佐々木恭子アナ(52)も、当初は大ごとだとは思っていなかったのではないでしょうか」(フジ社員)
もはや「フジの常識」に毒され、判断能力が鈍っていたのかもしれない。