ぶっち切りで24年のリーディングに輝いたルメール騎手は、昨年同様に正月はミニバカンス。1週目は完全に家族サービスで、この2週目はみずからの体のメンテナンスに専念するのだという。
それが早くからわかっていても、レーヴブリリアントはシンザン記念からの始動。田中博厩舎は、完全に美浦の名門厩舎の仲間入りを果たし、ルメール騎手も坂井瑠騎手も優先で乗ってもらえる存在。レーヴブリリアントはルメール騎手で2戦した馬だが、ここは松山騎手に依頼してクラシックの権利をつかんでおこうという構えだ。
しかし、それよりも魅力的な馬がいる。福永厩舎のマイエレメントだ。新馬戦を横山武騎手でサッと勝ち、2戦目のアルテミスSも、5着とはいえコンマ2秒差の好内容。この馬に坂井瑠騎手というのもキラキラしていて、いかにも勝負という雰囲気が漂っている。福永調教師もクラシックを意識しているはずで、ここで賞金を積んでおけば、あとのローテーションに余裕ができる。正月から、結構な勝負がかりだ。
マイネルチケットは、戸崎騎手が継続騎乗。中京の芝1600メートルは初勝利を挙げた条件で、これは他馬をリードする材料だろう。切れ味勝負だと少し見劣るが、好位から運べる堅実さならこの馬が一番だ。
矢作厩舎のタイセイカレントに武豊騎手の起用。自厩舎の坂井瑠騎手がマイエレメントに駆り出されたせいではあるが、武豊騎手としてもこの縁は生かしたいはずだ。
キズナ産駒のリラエンブレムは1戦1勝馬。カラヴァジェスティもカラヴァッジオの〝外車〟で、デビュー戦は鮮やかな内容だった。ラージギャラリーもアメリカンファラオの外車で、岩田望騎手への乗り替わりも楽しみでしかない。
フェアリーSは、ティラトーレから。ひいらぎ賞の4着は当日のターコイズSより速いタイムで、あの時計をなぞるだけでここでも勝ち負けになる。
レイユールはシンリョクカの半妹らしい好センスの持ち主で、新馬勝ちも同じ舞台。正月早々に栗東から挑戦するアイサンサンは、小回りでさらによさが生きそうな2戦の内容だった。