12球団の本拠地で最も本塁打が出にくいといわれるバンテリンドームの外野席に、テラス型観客席「ホームランウイング(仮称)」ができることになった。26年シーズンから稼働する。
中日の発表によると、左中間と右中間の外野フェンス前に設置され、席数はそれぞれ130席となる。これにより、左中間と右中間から本塁まで116メートルあった距離が110メートルに、また外野フェンスの高さも現行の4.8メートルから3.6メートルへと変わる。
昨年の中日の本塁打は、セ・リーグ4位の68本。得点はワーストの373だった。テラスの設置で投手陣の被弾リスクは高まるが、野手にとっては本塁打を量産するチャンスになる。とりわけ昨年23本塁打を記録した細川成也などは、一気に40本台を狙えるのではないか。
ここで賛否両論が出ているのが「ホームランウイング」の名称だ。「ドラゴンズ」から、大きな羽を広げた「翼竜」をイメージさせるが、名古屋という土地柄から「手羽先」を思い起こす人も多い。「手羽先弾と言われるのか」との心配があるのだと…。楽天が本拠地とするモバイルパーク宮城の「Eウイング」との類似性も気になるところだ。
もともと本塁打を出やすくさせるために設置された空間は「ラッキーゾーン」と呼ばれたが、2015年に福岡PayPayドームのフィールド内に外野スタンドが新設されてからは、「ホームランテラス」の呼び名が一般的になった。バンテリンドームも同じ呼び名にすればいいのでは…と思ったら、「ホームランテラス」はPayPayドームによって「商標登録」されていることから、他球場では使用できない。そう考えると、ZOZOマリンスタジアムの「ホームランラグーン」は、なんとも洒落たネーミングと言えるだろう。
「ホームランウイング」はあくまで現時点での「仮称」。これから別の名称に変わる可能性はある。テラス席が稼働する2026年まではまだ時間があるため、ファンからは様々な意見が寄せられるのではないか。
(ケン高田)