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メジャーリーグで猛威「魚雷バット」が「5月に日本導入」で日本人選手の打撃スタイルにメリットはあるか

 今、メジャーリーグで大きな問題(話題)になっているのは、「魚雷バット」による本塁打量産だ。

 先日、日本野球機構(NPB)と12球団の理事会、実行委員会行われたが、このバットの導入を前向きに検討していることがわかった。早ければ5月中にも使用可能になるという。魚雷バットとはいかなるものか。

 普通のバットはヘッド部分が太く、手元に向かって細くなっているが、魚雷バットはヘッドよりも芯の部分が太い。ボウリングのピン、あるいは魚雷の形状に似てるので「魚雷=Torpedo(トルピード)」と呼ばれている。当たれば飛ぶ芯の部分が太いことが、打者に有利に作用しているのだろう。

 衝撃的だったのが、日本時間3月30日に行われた、ヤンキース×ブリュワーズ戦。ヤンキースは1回裏、先頭打者のゴールドシュミットからカブレラ、ベリンジャーと3者連続本塁打が飛び出し、二死後にはウェルズもホームラン。いきなり1イニング4本塁打でファンの度肝を抜くと、4回まで毎回の計8本塁打。7回にも9本目が出て、20点を叩き出したのだ。

 ヤンキースは翌日の試合でも4本塁打で12得点を奪い、開幕3連勝。3試合で本塁打数は15本を記録し、4月9日までの11試合で6勝5敗ながら25本塁打78得点と、異様な攻撃力を発揮している。

 現在、メジャーリーグで魚雷バットを使用しているのは、ヤンキースで数名、その他にもレイズやツインズ、ブルージェイズなど数球団の数名の選手の使用が確認されている。ヤンキースの猛打爆発を受け、今後は使用する選手が増えていく見込みだ。

 では、日本でも魚雷バットは流行るのか。

「日本のメーカーにも選手からの問い合わせは来ているようで、解禁されれば使用する選手は出てくるでしょう。ただ、このバットが日本人の打撃スタイルに合っているのかどうかは微妙。というのも、ヘッドの重いバットを使い、遠心力で球を飛ばすスタイルの選手が多いからです。魚雷バットのような芯の部分が重いバットは、アメリカの選手のように、より手元近くに重心のあるバットを元々使っていた人には合うでしょうが、多くの日本人選手は打撃スタイルを変えないと、魚雷バットの使用メリットは少ないかもしれません。慣れれば効果は大きいので、使う人は徐々に増えるでしょうが」(スポーツライター)

 ちなみにドジャースの大谷翔平は当面、使わないとコメントしている。

 魚雷バットが普及すれば、現在の投高打低の日本プロ野球はガラリと様変わりするかもしれない。打率や本塁打数を伸ばす野手が増える反面、投手の防御率は低下し、打たせて取るより三振を狙う投手が増えたりも。

 打撃戦が増える結果、試合時間は延びそうで、ピッチクロックやタイブレークなど、世界的に時短のトレンドにある野球界の流れには逆行しそうにも思えるのだが…。

 日本で魚雷バットの効用が明らかになるのは、もう少し先のことだろう。

(石見剣)

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