「試合が恋しくなり、達成感をまた感じたいと思い始めた」
5月18日、座長を務める今夏のアイスショー「THE ICE」の会見でこう語ったのが女子フィギュアスケートの第一人者、浅田真央だ。
「流行語にもなった『ハーフハーフ』から一転、現役続行を宣言したことで、長らく彼女を応援してきたファンは歓喜しています」(女性誌記者)
彼女が沈黙してからというもの、女子フィギュア界は、開店休業中というほど盛り上がりに欠けている。しかし、浅田の復帰となってくると話は変わる。
「当然のように、3年後の平昌五輪で悲願の金メダル! という話が出来てますよね。ところが、これをファンが心配してるんです」(前出・スポーツライター)
生まれるのがたった3カ月遅かったために出場を逃した06年のトリノ五輪。それ以来、浅田真央には常に「金メダル」の亡霊がつきまとう。10年のバンクーバー五輪で飛ぶ鳥を落とす勢いだった韓国のキム・ヨナに主役の座を奪われた顛末も日本国民の脳裏に焼き付いて離れない。
「特にあのバンクーバー以来、浅田選手のスケートには悲壮感が付き物になりました。フィギュアが大好きな彼女があんなに現役続行に頭を悩ませているのも、メダルとの関係なんですよ」(前出・スポーツライター)
彼女をデビュー以来、ずっと応援しているという40代の熱狂的な女性ライターはこう訴える。
「たとえ金メダルが取れなかったとしても、日本で真央ちゃんの功績を疑う人はいません。もう真央ちゃんには、優雅に楽しく滑ってほしいだけなんです。私たちはその姿が見たいだけ。だから、絶対に3年後の五輪にも出てほしい。リラックスして滑ることができたら、ひょっとしてすごい奇跡が起こるかもしれないから」
一部では早くも「五輪に出る出る詐欺だろ」という心ない声も出ているだけに、彼女からメダルの呪縛を完全に取り払うことは不可能かもしれない、しかし、たしかに主婦ファンが言うように、「楽しそうな真央ちゃんが見たい」はほとんどの日本人の願いではないだろうか。