5月18日、1年間の休養を経て、浅田真央が現役続行を表明した。あの華麗な演技をもう1度見たいと切望していたファンには、待ちに待ったうれしい発表となった。
が、一方で複雑な心境なのが女子フィギュアの若手選手たちだ。なかでもこれからの活躍を期待される樋口新葉、本田真凛、青木祐奈といったホープたちにとっては、人ごとではない切実な事態なのだ。
5月16日放送のスポーツ番組で取材された中学生トリオの一人である樋口は、練習を再開した浅田真央のニュースに、「え? なんてパニックみたいになって、お父さんを起こした。大変だよって」と本音を吐露。
「浅田選手を目指している子は多く、大先輩の素晴らしい技を間近で見られる機会が増えるのはうれしいこと。とはいえ、自分たちもシニアデビューすれば同じ土俵で戦わねばなりません。浅田選手のいないシニアなら、まだまだ未知数の本郷理華や安定した実力を発揮するも発展途上の宮原知子、リーダーの役割を期待されながらパッとしない村上佳菜子と、今後の頑張り次第でいくらでも食い込むチャンスがある。ですが、浅田が現役復帰となれば、代表の切符が1枠減るのは確実です」(スポーツライター)
浅田は平昌五輪出場について現時点での明言は避けたが、浅田ほどの選手なら1年間の休養は大きなハンデではない。また、フィギュアスケートの五輪金メダリストはソチのソトニコワをはじめ、17歳前後で獲得することが多い。となれば、平昌五輪で16歳から17歳を迎える中学生トリオにとっては、そこで代表に選ばれるかどうかは選手としてどころか人生の明暗を分ける正念場となる。
平昌五輪まであと1000日を切り、乙女たちの熾烈な戦いはすでに始まっているのだ。