重々しいチームのムードを変えるためか、原監督はちょうど川相ヘッドを三塁コーチに据えた直後に期待のドラ1ルーキー・岡本和真(19)を初昇格させた。
とはいえ、岡本はファームでも打率2割5分程度で、ホームラン1本という成績。そもそも優勝を争うペナントの佳境で上げる必要があったのかと否定的な声もある中、代わって二軍に降格したのが井端弘和(40)だった。
この舞台裏でも、原監督と川相ヘッドの暗闘が繰り広げられていたという。
球団関係者が話す。
「この決断に対して、川相ヘッドは『井端は残したほうがいい』と進言していたんです。シーズン終盤の苦しい時期こそベテランの力は必要ですからね。一方、チーム内には『川相さんへの意趣返しで井端を外したのではないか』との声まである。チーム状況が悪いからかもしれませんが、今シーズンは三塁コーチの一件に限らず、川相ヘッドは原監督に細かいことを具申してきました。川相ヘッドは今季も4月に代行監督を務めて結果を残したので、監督目線になっている部分もあるようなのですが、原監督はそれを煙たがってきたんです」
チームの成績が芳しくないと、原監督とぶつかる首脳陣も少なくないはずだ。
8月30日の中日戦では、まだ序盤の3回、5点を奪われていたバッテリーの小林誠司(26)と田口麗斗(19)に相次いで代打を出した。そしてベンチでは、原監督が秦真司バッテリーコーチ(53)を激しく叱責したという。コーチの指導が悪いということだろう。
巨人番記者が言う。
「原監督はバッテリー間の問題について、秦コーチに指導の責任を問うことがある。例えば菅野智之(25)がデビュー以来、神宮球場で勝てないという課題がありますよね。でも秦コーチは『何でもこっちの責任にされたら困る』とこぼしている。というのも、原監督自身が『キャッチャーが悪い』と言ってはコロコロと捕手を代えているからですよ。再び阿部慎之助(36)の捕手復帰までささやかれているのですから、我慢の限界とも言われている」
ファームでも、岡崎郁二軍監督(54)があきれ果て、嘆いているとの声も。
「今季途中に補強を繰り返したこともあり、セペダ(35)、フランシスコ(28)、カステヤーノス(29)といった助っ人勢が不振やケガなどで二軍に勢ぞろい。岡崎二軍監督も『こっちはお守役じゃねえよ』とこぼしているのですが、冗談ではなくて真剣に言ってるんですよね」(スポーツライター)