新春第三弾の重賞、京成杯が中山のメイン。距離がマイル戦から2000メートルで争われるようになって今年で23回目。皐月賞と同じコース、距離ということで注目度が高くなったが、暮れに行われたGIホープフルSに比べると、顔ぶれ、評価は、やや落ちるか。
とはいっても、キャリアの浅い若駒。これからどう成長、化けていくかわかったものではなく、目が離せない。
事実、クラシックとの結びつきはホープフルSほどではないにせよ、ダービー馬となったエイシンフラッシュなど、ここで上位争いを演じて、GI戦で勝ち負けするまで出世した馬が何頭か出ている。
今年も顔ぶれは悪くない。厩舎が将来性を高く評価している逸材が顔をそろえているからだ。ヴァイスメテオール、グラティアス、テンバガーなどは陣営だけではなく、周囲の評価も高い。いずれにせよ、ハイレベルの見応えある競馬になること請け合いだ。
では、データを見てみよう。馬単が導入されてからこれまでの18年間、その馬単での万馬券は4回(馬連は0回)。この間、1番人気馬は6勝(2着5回)、2番人気馬は4勝(2着3回)。1、2番人気馬のワンツー決着は2回のみだが、比較的順当に収まる重賞とみてよさそうだ。
とはいえ、評判馬が粒ぞろいとあれば、簡単に人気、有力どころで決まるかどうか、難しいところだ。予想する者から見ても悩ましい顔ぶれで、目移りしてしかたがない。
それでも穴党として最も狙ってみたいのは、プラチナトレジャーだ。
前走は未勝利戦を勝ち上がったあとの重賞挑戦。その東スポ杯2歳Sは、周知のようにダノンザキッドの完勝劇だった。その時の4着馬だが、先行馬ペースの中、内めの馬群を縫って4着に押し上げたもの。展開不向きの中、ダノンザキッドにコンマ4秒差は誇れる内容で、評価していいのではなかろうか。
上がり脚も勝ち馬に次ぐもので、とにかく目立っていた。であるからこそ陣営は、ここにホコ先を向けてきたわけだ。
国枝調教師は「昇級初戦で見せ場を作ったのだから能力は確か。中間も順調そのものだし、若駒にしては手がかからないところがいい。これからが楽しみな1頭」と、今後の活躍を期待している。
むろんのこと、使われたあとの状態もいい。調整に狂いはなく、中間の稽古内容も軽快な動きを連発しており、実にスムーズだ。
超の字がつくほどの大物ではないが、前走で見せたセンスのよさを思えば、ここでは十分にやれていい。
曾祖母はマイルCSを勝った女傑シンコウラブリイ(重賞6勝)。そして父はダービー馬キングカメハメハ。プラチナトレジャー自身、2000メートルは初めてになるが、まったく問題ないだろう。混戦に断を下すのは、この馬とみたい。
大勢逆転があれば、タイムトゥヘヴンだろう。前走、3走目にして未勝利を脱出したが、走破時計はともかく、2着に8馬身差をつけるワンサイドゲームで内容が実によかった。
母は桜花賞馬のキストゥヘヴン。馬体はあか抜けており、まだまだ出世していい馬だ。
モーリス産駒の2頭では、タイソウがおもしろい。新馬戦を勝ち上がったばかりだが、その内容は実によく、秘めた力はかなりのもの。ウインクリューガー(NHKマイルC)など近親、一族に活躍馬も多く、期待していい。