ウクライナが反転攻勢を続ける中、同国メディアの「ウクラインスカヤ・プラウダ」が、衝撃的な記事を掲載した。
同紙はロシアの独立系メディア「アストラ」の記事を引用。ロシアのプーチン大統領が9月21日に30万人の予備役招集を命じる動員令を出したが、その後、「これまでにロシアからの出国が禁止された男性は102万5703人に達した」と指摘しているのだ。
ロシア軍については、地元メディアが10月23日、ロシアのイルクーツクで試験飛行を行っていた戦闘機「スホイ30」が住宅地に墜落し、パイロット2人が死亡したと報道。同国では17日にも「スホイ34」戦闘機がウクライナ国境付近の南部クラスノーダル地方の住宅に突っ込み、15人が死亡している。
ロシア事情に詳しい軍事ジャーナリストは「今後も同じような事故は増え続ける」として、次のように解説した。
「兵士不足に陥っているロシア軍では、動員令でかき集められた兵士がロクに訓練も受けないまま前線に送られ、あっけなく戦死する例が多発しています。戦闘機の事故も同様、全く経験を積まないまま操縦桿を握らされた揚げ句、戦地へ行く前に命を絶ったということでしょう」
そうした中、「100万人の出国禁止」からは、国外向けの発信とは全く異なる事情が透けて見えるのだ。軍事ジャーナリストが続ける。
「そもそも30万人の部分的動員令が出された時点で、ロシア住民が直ちに国外脱出する事態が相次ぎました。これ以上の脱出を防ぐための出国禁止令ですが、先ごろ徴兵逃れのロシア人23人がヨット4隻で韓国までたどり着いたように、脱出を試みる動きはエスカレートする一方です。その際、国外逃亡とそれを阻止する側で、血みどろの争いが繰り広げられる可能性があります」
待ち受けるのは、ロシアの自滅なのか。
(ケン高田)