北朝鮮北東部の豊渓里にある地下核実験場。金正恩総書記率いる北朝鮮はこの地で過去6回(2006~2017年)にわたって核実験を強行してきたが、アメリカの大統領選挙が行われる今年11月には、7回目となる核実験に踏み切ると伝えられている。
そんな中、中国の習近平国家主席が金正恩に「重大警告」を発していた、との衝撃情報がある。中朝関係をウォッチしている韓国情報筋によれば、北朝鮮の地下核実験が引き起こす「鬼神病の蔓延」と「白頭山の大噴火」を懸念している習近平が、核実験の自制を強く求めているというのだ。どういうことなのか。
実は過去6回の地下核実験が行われた豊渓里周辺では、放射能漏れが原因とみられる奇病の発生が報告されてきた。地下核実験の開始以降、現地では深刻な体調不良を訴える住民が続出し、この不気味な奇病は「鬼神病」と呼ばれ、恐れられている。
さらに、放射能汚染は豊渓里周辺の広範な地下水などのほか、中朝国境を流れる鴨緑江にも及んでいるとされる。豊渓里から中朝国境までの距離は、わずか80キロ。習近平は中国国内での鬼神病の蔓延を警戒しているのだ。
いや、それだけではない。習近平はまた、中朝国境にそびえる白頭山(中国名は長白山)の大噴火にも、強い警戒感を示しているという。
活火山として知られる白頭山はこれまでに合計31回、大規模なものを含む噴火を繰り返してきた。地下核実験は白頭山の地下マグマに強烈な刺激を与える可能性があり、金正恩の命令によって周辺住民の避難訓練が実施されてきた事実がある。
白頭山で大規模な噴火が起きれば、吉林省をはじめとして、中国国内にも壊滅的な被害が発生する。習近平はその悪夢のような惨状を念頭に置いている。
とはいえ、金正恩が態度を改めることはないだろう。北の独裁者は核武装以外、金王朝を存続させる手段は存在しないと確信しているからだ。隣国の絶対的権力者といえども、金正恩を制御することはもはや不可能なのである。
(石森巌)