やっぱりバイエルンは日本人選手にとって「鬼門」のようだ。
欧州サッカーの冬の移籍市場が閉じる直前の2月3日、ドイツ1部のバイエルンに所属するMF福井太智が、ポルトガル1部のアロウカに完全移籍した。
福井はJ1のサガン鳥栖から2023年1月に、18歳の若さで世界屈指の超名門に加入し、日本のサッカー界に衝撃が走った。
しかしフタを開けてみれば、トップチームでの出場はカップ戦の1試合のみ。あとはレンタル移籍でたらい回しにされるだけだった。
思い返せば2011年に「ガンバの至宝」と呼ばれた元日本代表のFW宇佐美貴史も、19歳でバイエルンに移籍。その時も日本のサッカーファンは熱狂したのだが…。
「デビュー戦で後半途中から出場すると、自陣からボールを運んでドリブルを仕掛けました。が、すぐに奪われてカウンターを食らい、途中出場で懲罰交代の屈辱を味わっています。それ以降、宇佐美に活躍の場はほとんど与えられなかった。バイエルンはどのポジションにも、スター選手が勢揃い。それなのに『青田買い』で若手を獲得するので、移籍をしたところでほとんどノーチャンスなのが現実です」(サッカーライター)
残念ながら宇佐美も福井も通用しなかったが、それでもようやく「鬼門」を突破してくれると期待を抱かせてくれたのが、日本代表のDF伊藤洋輝だ。
ドイツ1部のシュトゥットガルトで3シーズンにわたり、最終ラインの主軸として存在感を発揮。先の2人のケースとは違い、実力が認められて4年契約の移籍金2300万ユーロ(約39億円)で迎え入れられたのだ。
「今季からヴァンサン・コンパニ監督が就任し、伊藤は新加入1号目でした。それだけDFのテコ入れに必要とされたのですが、開幕前の親善試合で中足骨を骨折。練習に復帰してもすぐに離脱して、再手術となった。いまだに復帰できず、サポーターもしびれを切らし、高い買い物に批判の声が噴出しています」(前出・サッカーライター)
もはや鬼門どころか、「呪い」と言ってもいいのではないか。バイエルンと日本人選手が合わないのは、間違いないようで…。
(風吹啓太)