3月23日に行われるGⅡ・阪神大賞典(阪神・芝3000メートル)には11頭がエントリーしてきたが、筆者は長距離戦線に彗星のごとく現れた「新星」、5歳牝馬のゴールデンスナップを「激走馬」に抜擢したい。
とにかく3勝クラスの身でオープン特別の万葉S(中京・芝3000メートル)に挑戦して快勝した前走の内容が圧倒的だった。田中克典調教師が「距離は5000メートルあっても大丈夫」と豪語するように、師が手塩にかけて育て上げてきたステイヤーとしての素質が、ここへ来て一気に開花、爆発した格好だ。
父ゴールドシップ×母の父タニノギムレットという重厚な血統は申し分なく、ズバリ、5月4日に行われるGⅠ・天皇賞(春)も制して、長距離界の頂点に上り詰める逸材とみた。
渾身の対抗馬は、昨年の天皇賞(春)で5着の実績があるワープスピード(牡6)。昨年11月の海外遠征からの帰国後、前走のGⅢ・タイヤモンドS(東京・芝3400メートル)を叩いて臨むローテーションは青写真通りで、昨年も同じステップで駒を進めた阪神大賞典で2着と好走している。
人気にはなるだろうが、ショウナンラプンタ(牡4)とヴェローチェエラ(牡4)の2頭にも注意が必要だ。
昨年秋のGⅠ・菊花賞(京都・芝3000メートル)で4着と善戦したショウナンラプンタは、鞍上に名手・武豊を迎えての一戦。重賞初挑戦となった前走のGⅡ・日経新春杯(中京・芝2200メートル)でいきなり4着と健闘したヴェローチェエラともども、上位入線の可能性は高い。
そこで結論。今回はゴールデンスナップの「単複」をベースに、ワープスピード、ショウナンラプンタ、ヴェローチェエラへの「馬連3点」も勝負馬券に加えたい。このうちゴールデンスナップとワープスピードの組み合わせで決まれば、そこそこの払い戻しが期待できるはずである。
ちなみに、昨年のGⅠ・宝塚記念(京都・芝2200メートル)勝ちがあるブローザホーン(牡6)は、近3走の成績が全く冴えないのに加え、59キロという別定重量はかなり苦しい。今回は迷うことなく「消し」とした。
(日高次郎/競馬アナリスト)