内閣官房参与で京都大学の藤井聡教授も、雑誌「VOICE」14年3月号で、首都直下型大地震が20年までに起こるのは十中八九間違いない、と指摘している。東京五輪までに90%の確率で大地震が発生すれば、東京とその周辺は大災害に見舞われ、五輪開催どころではなくなるだろう。
〈マグニチュード9にも及ぶ東日本大震災が起こったいま、多くの科学者が、いまの日本列島は大地震が集中的に訪れる「地震活動期」に突入している〉
としたうえで、
〈この「地震活動期」というものは、過去の日本の歴史のなかでも定期的に訪れている〉
例えば、東日本の太平洋沖で発生するM8クラス以上の巨大地震は、過去2000年に4回起こっているが、それらはいずれも、日本列島の各地で大地震が発生する「地震活動期」のただ中でのことだった。藤井教授は、その4回のうち全てのケースにおいて、首都圏では10年以内に大地震が起こっている、と記述している。そして、
〈この結果をもってして即座に、首都直下地震が10年以内に今回も起こるだろうと結論づけることはできないとしても、いかに危険な状況にあるのかを明確に指し示すものであることは間違いない〉
と結論づけているのだ。
ちなみに、藤井教授は最近も、ラジオ番組「生島ヒロシのおはよう一直線」に出演し、「首都直下型地震や東海地震などの巨大地震が、首都を含めた太平洋ベルトを直撃する確率は五分五分程度」とも発言している。
この「東日本大震災⇒基盤岩ひき戻し地震⇒首都直下型大地震」という玉突き地震現象に加え、実はもう一つ、深刻な地震被害が我々にのしかかろうとしている。経済産業省が「核のゴミ」を海底に埋設しようと計画しているのだ。「核のゴミ」とは、使用済み核燃料からプルトニウムを取り除く再処理作業の過程で出る廃液であり、高レベル放射性廃棄物である。
原発から生じた核のゴミは現在、1万7000トン以上あるといい、「満杯」状態。しかし、陸地でのゴミ処理は地元住民の大反発が予想されるため、海底の地下への埋設が検討されてきた。陸地には地権者がいるが、海底にはいないということも注目される要因であり、経産省は今年中に候補地をあげたいとしている。経産省詰め記者が言う。
「経産省では火山、活断層から離れたところで、海岸線から15キロ以内で、海底から地下300メートル以上の地点に、金属容器に入れた核のゴミを埋設したいとしていますが、処分場の建設や操業の際に安全性が確保できるのか。さらに、津波災害や建設時の海水圧に対応できるのか」
もちろん、漁業関係者から強い反発を食らう可能性もあるだろう。