東京競馬は第2週目を迎え、東京新聞杯がメインとして行われる。春のGI戦であるヴィクトリアマイル、あるいは安田記念の一里塚と言っていい重賞だ。
それだけに年々登録頭数が増えて顔ぶれがよくなっており、これから伸してくるであろう新興勢力も多い。ウォーターリヒト、オフトレイル、オールナット、コラソンビート、ボンドガールといった4歳馬からは目を離せそうにない。
また、5歳上の古馬も充実していて、ジオグリフ、シャンパンカラー、ブレイディヴェーグのGⅠ馬3頭の他、ジュンブロッサム、セオ、ゾンニッヒ、マテンロウスカイなど役者ぞろい。白熱した競馬が見られること請け合いだ。
まずは過去のデータを見てみよう。
03年に馬単が導入されて以降、これまでの22年間、その馬単での万馬券は10回(馬連では7回)。この間、1番人気馬は3勝(2着3回)、2番人気馬は2勝(2着3回)。1、2番人気馬によるワンツー決着は2回のみ。別定戦でありながら、比較的よく荒れる難解な重賞ととらえてよさそうだ。
であるからこそ、おもしろいのだが、年齢で見てみると、4歳から6歳馬まではほぼ互角で、7歳以上の古豪は連に絡むことが少ない。このへんを念頭に置いて、勝ち馬をあぶり出してみようか。
もろもろ考慮した上で、最も期待を寄せてみたいのはセオである。明け5歳と最も充実している時期であり、実績から十分勝負になるとみての狙いだ。
東京コースは初めてで、直線の長いコースは脚質的に決して向いているとは思えないが、それでも勝負強く、相手に食らいついていこうとするところに好感が持てる。年齢的にも今後さらに強くなっていくと思えるだけに、主力に推してみたいのだ。
前走の京都金杯は8番人気で4着。勝ち馬との差はコンマ3秒だった。前走比14キロという大幅な体重増は、暮れから正月にかけて調整が難しかったことが要因だろう。それを思うと、評価できる内容だったのではないか。しかも今回は休み明け3戦目。大いに走り頃であり、変わり身を見込んでいい。
この中間は至って順調で1週前の追い切りも軽快でリズミカル。上村調教師をはじめ、厩舎スタッフは「体に実が入って実にいい状態。充実ぶりが目立っている。今なら重賞でも好勝負になっていい」と口をそろえて、仕上がりのよさを強調するほどだ。
血統的背景からも、まだまだ出世していい。母系は欧州の一流血脈で近親、一族に活躍馬が多くいる良血。仕上がり状態のいい今回は、良馬場条件に大いにチャンスがあるとみる。 逆転候補に挙げたいのはオフトレイルだ。
強烈な末脚は天下一品。東京コースは1度走って12着(毎日王冠)に敗れているが、この時は休み明けで本来の姿になく、やむをえない結果だろう。
しかし、使われつつ力をつけてきており、その後はスワンS2着、阪神C3着とGⅡ戦で好走。明け4歳の伸び盛りであることを思えば、チャンスは大いにある。
この中間はしっかり乗り込まれ、至って順調。脚質的に東京のマイル戦の舞台はピッタリだけに、大勢逆転があっていい。
きさらぎ賞は、リンクスティップに期待する。
未勝利戦を勝ち上がったばかりだが、内容がよく、レースセンスを感じさせる馬。この中間は順調そのもので、母系は北米のGⅠ血脈。素質のよさがモノを言うはずだ。