オリックスにFA移籍した九里亜蓮の人的補償に関するプロテクト名簿が1月8日、広島に届いた。鈴木清明球団本部長は、
「外国人をもうひとり獲得するか、育成選手を支配下登録するかも含め、リストを見て決める」
と話しており、支配下選手枠の関係から、場合によっては金銭補償になる可能性も出てきた。
広島では2023年オフ、西川龍馬がFA権を行使してオリックスに移籍しており、人的補償で2022年ドラフト5位の日高暖己を獲得。現在の投手の支配下登録が32人と他球団に比べて少ないことから、できれば投手を獲得したいと考えているのではなかろうか。
一方で広島ファンからは、オリックスの人的補償リストの提出が遅れに遅れたことへの不満が噴出。オリックスが九里との契約締結を発表したのは昨年12月12日で、NPBが契約締結を公示したのが12月26日。リストの提出期限はそこから2週間以内なので、ルール的には問題ないのだが、春季キャンプのスケジュールなど、移籍してくる選手への配慮を考えると、もう少しスピードアップできないかというわけだ。
中には「西川をプロテクトするかしないかで揉めていたのでは」などと勘ぐる声もあるが、確かに西川のプロテクトを外せばもうひとり、貴重な戦力を確保できるのだから、100%あり得ない話ではないのでは…。
いずれにしても、オリックスがリスト作成にかなり頭を悩ませたのは想像に難くない。現在、広島ファンの間では、昨シーズンに巨人・菅野智之との投げ合いを制し、プロ初登板で初勝利を挙げた2019年の育成ドラフト1位左腕・佐藤一磨が1番人気になっているのだが…。
支配下枠70人中、すでに68人が埋まっていることから、開幕後の補強も考えると、悩ましいところではある。
(ケン高田)